父なる神 God the Father [Daddy-Long-Legs]
〔記事「『あしながおじさん』における神 (第3のノート) [Daddy-Long-Legs]」と「天にまします我らの父――主の祈り Our Father in Heaven: Lord's Prayer [φ(..)メモメモ]」につづくもの〕
いまさら言うまでもありませんが、孤児のジェルーシャ・アボット(『あしながおじさん』の話です)は親に――母親にか父親にか、両親にか――遺棄され、親を失なった存在です。
ジュディーはキリスト教の世界観に、とくにアメリカ的ピューリタン的予定論的宿命論的世界観に反感を持っているように見えますけれど、反感も含めて、キリスト教への言及が作品に、たとえば社会主義への言及との対比的意味という以上に、散りばめられているのも事実だと思います。
「天の父」へのタイポロジカルな聖書の言及は、たぶん旧約聖書の詩篇にある、つぎの文章でしょうか。――
旧約聖書「詩篇」27章10節―― 「たとい父母がわたしを捨てても、主がわたしを迎えられるでしょう」(口語訳聖書)
Psalms 27.10: "When my father and my mother forsake me, Then the Lord will take me up."
"take up" というイディオムは、いろんな意味があるのですけれど、「保護する」「庇護する」、あるいは、もともとの語感に近い「拾い上げる」みたいな感じでしょうか。
ともあれ、地上的な親(父)に棄てられても天上的な父(主)が救ってくれる、というような type は旧約聖書からあって、それが、新約聖書の子なる神イエスの登場&三位一体によって、人と神の関係に複雑な問題を持ち込みながらも、継続するのかなーと。
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頭を痛めつつメモurls――
JIBC of Tacoma - 6/20/’10“To Meet Heavenly Father”「父なる神様と出会う為に」創世記11章1~9節 <http://jibcoftacoma.com/modules/d3blog/details.php?bid=68>
アカペラ動画「天のお父様の愛」 My Heavenly Father Loves Me @YouTube <http://fukuotoko.blog53.fc2.com/blog-entry-974.html>
8月11日記――
さらに「天の父と地の父(母と娘の会話)――『若草物語』のばあい Your Heavenly Father and Your Earthly Father in _Little Women_: A Conversation Between a Mother and a Daughter」、そしてそれに並ぶ「天の父と地の父――『緋文字』のばあい(1) (母と娘の会話) Your Heavenly Father and Your Earthly Father in _The Scarlet Letter_: A Conversation Between a Mother and a Daughter」につづいていきます。
kaoru さん、こんばんは~。残暑お見舞いもうしあげます。
by morichanの父 (2010-08-07 21:00)