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ポーの言葉の中にレノーアを探していた――宇多田ヒカルとポー (1) I Was Searching for My Lenore in the Words of Mr. Edgar Allan Poe: Utada Hikaru and Poe (1) [歌・詩 ]

・・・・・・これを求めて私は生き続けてるのかな、と思う。
想像を超えて素晴らしいものが返ってくる、想像を絶するほどの恐怖や大惨事がふりかかる。
どっちでもいいから、私には必要。――宇多田ヒカル 「
想像を絶するもの」『Message from Utada Hikaru / Hikaru』  

  8月末に中学校の同級会があって、その2次会のカラオケで初めて宇多田ヒカルを歌った。「ウタダってむずかしいよね」「え、これ初めて歌うんだよ」「これ彼が好きな女優のドラマの主題歌だから」「え、誰それ」「・・・・・・」

  閑話休題(はやいw)。いや、なんかよく覚えていないけれど、人間活動とかをすると休養宣言した宇多田ヒカルがポー好きなんだという話をして、じゃ、帰ったらブログに書くから、とかなんとか言って、でも朝の5時まで歌っていたのでカエルなり死んだようになって(ゲロゲーロ)、ブログを書く余裕はなかった(つーか、それなりに考えなければ簡単には書けまへんがな)。

  まー、月並みなところから入ります。あ、そのまえに、宇多田ヒカルは1月19日の生まれで、1809年1月19日に生まれたエドガー・アラン・ポーと同じ誕生日です。このことは意味があるように彼女には思われるということはあるかもしれない。ちなみにモーリちゃんの父はフランスの詩人ステファヌ・マラルメが亡くなった1898年9月9日のウン十年後の9月9日に生まれました。若いころモーリちゃんの父は、自分にはマラルメの魂が転生していると信じて詩作に耽っていたのです。

  閑話休題Pt. 2。宇多田ヒカルは尊敬する作家とか芸術家とか(あ、みんな作家か――画家だって作家なんですよね)好きな作品とか、かねて公表してきていて、そーですねー、たとえば、WEBに残っている古い資料だと、nikkei BPnetの1999年の暮れの「宇多田ヒカルのパーソナルデータからビジネス記録まで大公開! ! - ニュース」 <http://www.nikkeibp.co.jp/archives/087/87987.html> の「パーソナルデータ」(これは『日経エンタテインメント!』2000年1月号の特集「宇多田ヒカルパーフェクトアクセスBOOK」とシンクロしていると思われます――

宇多田ヒカルPERSONAL DATA】

本名
宇多田ヒカル(うただ・ひかる)
生年月日 1983年1月19日、ニューヨーク生まれ。16歳。
身長 158cm
血液型 A型
趣味 読書、絵描き、人間観察、仮眠、ライブやテレビ出演のパス集め、瞑想、Eメール
特技 バスケ、左足の小指の独立動作、手抜き、ごまかし
好きな映画 「ショーシャンクの空に」「ジョー・ブラックをよろしく」「ゴッドファーザーPART2」「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」「バグダッド・カフェ」「天国から落ちた男」
好きな作家と小説 中上健次「異族」、芥川龍之介「羅生門」「河童」、川端康成「感情装飾」、森鴎外「高瀬舟」、夏目漱石「こころ」、宮沢賢治(詩集)、ロアルド・ダール「More Tales of the Unexpected」(←短編集で邦訳はまだされていない)、S.シルヴァスタイン「歩道の終わるところはどこ」「屋根裏の明かり」、エドガー・アラン・ポー、 エリ・ウィーゼル「夜」、ジョン・ベレント「真夜中のサヴァナ」、F・スコット・フィッツジェラルド「華麗なるギャツビー」
好きなアーティスト ベイビーフェイス、ブラックストリート、ジャネット・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダー、アース・ウィンド&ファイアー、チャカ・カーン、ミニー・リパートン、フレディ・マーキュリー(クイーン)、スラッシュ(ガンズ&ローゼズ)、ジョー、ローリン・ヒル、NAS、メアリー・J.ブライジ、マックスウェル、2パック、ガービッジ、尾崎豊、GLAY

  渋い。中上健次が先頭だぜ。フォークナーを読ませてあげたいw。で、ポーだけ作品がなくて作家名だけ、というのが特別扱いのしるしかと。

  月並みなところから、ということでした。

  誰もの目に留まるのは、Utada 名義のアルバム『EXODUS』所収の作品 "Kremlin Dusk" におけるポーの詩 The Raven への言及です。

All along I was searching for my Lenore
In the words of Mr. Edgar Allan Poe
Now I'm sober and "Nevermore"
Will the Raven come to bother me at home

  と、ここでモーリちゃんの思考はあらぬほうへ向かい、いったいなんで "my Lenore" と話者(語り手、歌い手)は呼ぶのかしら、と疑問がむくむくと。レノーアは詩『大ガラス』の話者(男)の恋人(女)の名前です。音に極端にこだわったポーの詩において、この女性の名前自体、nevermore と韻を踏むべく選ばれたところがありますが、もうひとつの理由は Lenore がポーの短篇小説の "Eleonora" とか他の詩 "To Helen" や"To Lenore"に反復されるように、ギリシアの美女 Helena の異形であることにかかわると思います(「美女の死」というのはポーが美的に好んだモティーフでした)。

  それで、なんで "my" なのかは考え中ですけれど、ポーの他の作品の言葉の中に Lenore を探すというのではなくて、エドガー・アラン・ポーという言葉の中に Lenore を探してみる、というふうに思いつきがむくむくと起こりました。なぜかはわかりません。突然のヒラメキ、というのが人生にはあるのです。結果あんまり意味がないとしても。わしって天才かしら。

edgar allan poe

edgar aLlan poe

Edgar aLlan poe

Edgar aLlaN poe

Edgar aLlaN pOe

EdgaR aLlaN pOe

EdgaR aLlaN pOE

   ま、不正解だなーw。 

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Hikki's WEBSITE [1999-2004] <http://www.emimusic.jp/hikki/>

Message from Utada Hikaru / Hikaru <http://www.u3music.com/top.html> 〔 「これは言っておかねば」(2010.8.11); 「久しぶりの大事なお知らせ」(2010.8.9)〕

Hikaruの本棚 <http://www008.upp.so-net.ne.jp/library/hikki_favorite_books.htm>

ポーの"大鴉"を題材にとった、Utada「Kremlin Dusk」を聴く。 」『男色系男子』 2010.7.23 <http://masafiro1986.blogspot.com/2010/07/utadakremlin-dusk.html>

Edgar Allan Poe The Raven エドガー・アラン・ポー「大鴉」 i_訳 」『無意識日記
宇多田光 word:i_』 2008.9.7 <http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary/e/564b9402709c8441e188407e5115c72a>

オレの歌詞和訳

エディタ・コミュニティ(edita)ベータ - 宇多田ヒカル(ヒッキー)の応援団 Kremlin Dusk: 英語・日本語・画像 <http://community.edita.jp/c_topic_show/c-497ec470ccedb/t-4994ef90c5053> 〔どなたの訳か知りませんが、同じ訳がいくつもでまわっており。え、"In the words of Mr. Edgar Allan Poe" は、「エドガーアランポーの言葉を引用するならば」と、つぎのセンテンスの冒頭のフレーズなのか~。そうかも~(漠爆)。〕

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视频: 宇多田光——Utada United演唱会 (C)

キャバDEEP - AIKO

音乐Kremlin Dusk 宇多田光.-.[UTADA.UNITED.2006].演唱会

 


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morichanの父

kaoru さん、どうもありがとうございます。
by morichanの父 (2010-09-10 15:27) 

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