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からっぽで痛い Empty and Aching [Daddy-Long-Legs]

サイモンとガーファンクル Simon & Garfunkel の1968年のアルバム Bookends のA 面3曲目におさめられた「アメリカ America」はミシガン州サギノー Saginaw から徒歩&ヒッチハイクで出かけてペンシルヴェニア州ピッツバーグからはニューヨークにむかうグレイハウンド・バスに乗って旅をする男女のようすを描く。でももっぱら男の語りで、そこに女の発話も直接・間接話法で入っているかたち。

最後からふたつめのスタンザの最終行から――

And the moon rose over an open field
そして開けた平地に月が昇った。

"Kathy, I'm lost,"
I said, though I knew she was sleeping,
"I'm empty and aching and I don't know why "
Counting the cars on the New Jersey Turnpike
They've all come to look for America
All come to look for America
All come to look for America
「キャシー、ぼくはダメだ」
ぼくは言った、彼女が眠っているのはわかっていたけれど、
「ぼくはからっぽで痛くってなぜだかわからない」
ニュージャージーのターンパイクでクルマを数える
彼ら〔クルマ〕はみんなアメリカを探しにやってきた
みんなアメリカを探しにきた
みんなアメリカを探しにきた

歌詞@ LyricsFreak <http://www.lyricsfreak.com/s/simon+and+garfunkel/america_20124598.html> 〔引用符のつきかたが間違っていると思うのだが――ほかの多くのサイトもそうなのだけれど――自分がもっていたはずのアルバムが見当たらず確認できません〕


Simon & Garfunkel, "America" (1968)

chochotakamuneek, 訳詩で歌うサイモン & ガーファンクル "America" Simon & Garfunkel Cover @YouTube 

  で、『あしながおじさん』 (1912) の大学卒業後の10月3日の手紙の一節――

And he is―Oh, well!  He is just himself, and I miss him, and miss him, and miss him.  The whole world seems empty and aching.  I hate the moonlight because it's beautiful and he isn't here to see it with me. 
(そしてあのひとは――ああん、もういや。 あのひとはあのひとのままなのだけれど、いないとさびしくて、なつかしくて、恋しくて。全世界がからっぽで痛いみたいに感じる。月の光が憎らしいのは、美しいのに一緒に眺めるあのひとがここにいないから。)

  この手紙はロック・ウィローから書いているのですけれど、月明かりというと、前年の8月25日にジャーヴィスとロック・ウィロー農場のそばのスカイ・ヒルに登ったときの帰り道が "We came down by moonlight" と記述されていたのですし、卒業間近の4月4日にもジャーヴィスとスカイ・ヒルに登って思いを高めた手紙を書いていたのでした。


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morichanの父

overcomeco さま、ご訪問とnice ありがとうございます。
by morichanの父 (2011-03-28 21:27) 

morichanの父

overcomeconceal さま、失礼しました。ご訪問とnice ありがとうございます。

by morichanの父 (2011-03-28 21:28) 

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