体格とフィジカル Personal and Physical [φ(..)メモメモ]
TBSの深夜のニュースを見ていたら、「なでしこジャパンが体格とフィジカルで劣っているマルマルモリモリ」みたいな話が出てきた。「フィジカル」って体格も入ってるんじゃないの、って思いながらビール(実は発泡酒)を飲んでいたら、別のスポーツで「フィジカル」云々(日本人はフィジカルが弱いとか)って言っていた。
ふーん。「フィジカル」というコトバがどうやらスポーツ用語として定着しているか、定着しつつあるか、なのね。体格とかいう「静的」な特性ではなくて「運動能力」なる用語と同じだっつうんならそう言えばいいのに。違うのかしら。日本語と並べるとわけがわからなくなる、ということを意識しないのかしら、使っている人たちは。
まあ、思い起こせば、1981年、オリヴィア・ニュートン・ジョン Olivia Newton-John が "Let's get physical" と呼びかけてから、同級生(正確には美術部の同年生)の木村くんと木炭デッサン(むろんモデルではなくて石膏像のデッサン)の手を休めてはグラウンドでサッカーに興じていたころから、「フィジカル」なるコトバは日本ならびに日本語のなかに新たな意味合いを築き始めていたのかもしれない。
久しぶりに聞きながら思ったこと――
(1) 1980年代の精神/身体問題は、カウンター・カルチャー後の心身論との関係で再考してみよう。
(2) 「フィジカル」の対語は「メンタル」ということになっているけれど、18、19世紀の英米文学作品を読むと、身体、肉体、そして、身体的、肉体的の意味で "person" 、"personal(ly)" というコトバがやたら使われている(つまり、mental(ly) と対語として使われている)。これを心身論的にもう一度考えてみよう。
(3) 日本語はカタカナコトバを作れる便利な言語だけれど、どうやらアホなカタカナコトバが近年ジャーナリズム以前に「学問」で乱造されているかもしれず、ひまがあったら検証してみよう。
(4) そういえば、画家になった木村くんは、オリビアに惚れていたけれど、自分は違った。それはなんでだったのだろう(もっとも彼が惹かれたのは、70年代の「そよ風の誘惑」 "Have You Never Been Mellow" であった) 。
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◎「フィジカルトレーニング」 Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0
◎体 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (肉体から転送) <http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%89%E4%BD%93> 〔奇妙なことに、これに対応する「他の言語」の英語記事がない〕