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おちゃめセット The Patty Series [Marginalia 余白に]

以前から気になっていた復刊ドットコムのページにおちゃめセット(おちゃめなパッティ、おちゃめなパッティ大学へ行く)  【注目の新刊】」 <http://www.fukkan.com/fk/CartSearchDetail?i_no=68308507> という案内を見つけて、買いたいな、と思い、会員(?) になったのだけれど、おちゃめセットのナカミの2冊――遠藤寿子訳『おちゃめなパッティ』と内田庶訳『おちゃめなパッティ 大学へ行く』は、アマゾンでも買えて、たまたまモーリちゃんの父はプライムなんたら会員で送料がただなので、結局アマゾンで、とりあえず前者だけ、買ってしまいました。(お茶の間セットみたいに、お茶と扇子がついているみたいなのだったらとびついたのですが。)すいません。

  あしながおじさんの話題は尽きないw ので、そのうち並行してアレコレ書こうと思いながら読んでいるところです。日本人の執事 Osaki が出てきたり、秘密結社のパロディーが(くりかえし)あったり、スピリチュアリズム(霊交思想)への言及があったり、おもろいです。

  ところで遠藤寿子による邦訳のタイトルはおちゃめではなくて『女学生パッティ』でした。

  今日、たまたままた、このあいだよりもはるかに多いアメリカシロヒトリたちのいる外堀沿いの桜並木を歩いて仕事場に行って、地震で崩れた本を見ていたらば、白木茂(個人的にはシートン動物記の訳者としてなじみぶかい人)訳の『あしながおじさん』が見つかったのですけれど、白木茂は『おちゃめなパッティ』という題で(たぶん) Just Patty の邦訳を出しています。

  ま、おちゃめでまとめることに文句はないですけれど。(おそらく、女子男子とも、「お茶目」という言葉に激しくノスタルジアを感じる戦後世代はいるように思われもし。)

  白木茂訳の『足ながおじさん』(正進社名作文庫10―1970年7月1日初版、100円、208pp.)を帰りの電車で数分読んでいたのですが、解説に書かれていないけれども、抄訳でした。一段落、二段落、と落ちているところがあります〔これは一緒に東健而と厨川圭子(角川文庫の古い昭和30年代の本も同時に見つかり)と遠藤寿子の岩波文庫版(このあいだ古本市で買って、自宅から東健而と比較すべく持って出た)と4冊並べて見ていたからはっきりわかるのです〕。

  実は白木茂訳の『おちゃめなパッティ』は昨晩、古本サイトの源氏なんたらで300円で出ていたので注文しました。これも抄訳なのかしら。

  で、遠藤寿子訳(の復刊リプリント)ですが、昔買った英語の原文とときどき見比べながら読んでいるのですけれど、最初のほうで、少なくとも一箇所、メー・マーテルの架空の恋人カスバート・セント=ジョンが送ってきたマリー・コレリという英国女性作家の作品集のところの二段落がすっぽり抜け落ちていました。これが、もともとの翻訳がそうだったのか、復刻本のエラーなのかわからないところが、完全リプリントではないところの復刻本の問題なのだとあらためて思われます(遠い目→)。それから、一方で、日本語がおかしいところ(言葉がダブって繰り返されたりしているところ)は残っています。

  一方で、さまざまな、とりわけ今日的にはPC的な、ありていにいえば差別用語問題などを原因として、テクストに改変が加えられ、あたかもそれが原書と同様であるとして通るのはいささか問題があるでしょうし、ポピュラーな本に、厳密性を求めるのも無粋ということになるのかもしれませんけれど、ちょっと(翻訳であるがゆえになおさら)複雑な思いをしたのでした。いったい遠藤寿子の翻訳テクストに「おちゃめ」はあったのでしょうか(あるかもしらんが)。


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