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「六行目に脚が多すぎる」――ムカデ図への伏線――脚の話 (7) "The Sixth Line, Which Had Too Many Feet": Leg Stories (7) [Daddy-Long-Legs]

『あしながおじさん』1年生冬の「日曜日」の手紙は、試験の落第を報告するものですが、いやなニュースの前にいいニュースを、ということで、学内誌に「わたしの塔から」という詩が採用されたことを書きます。
  ちなみに、記事「ジーン・ウェブスターが3年生までのヴァッサー大学の学年暦 Vassar College Calendars, 1987-1890」で書いたように、ジーン・ウェブスターが1年生だった、1897-1898年のカレンダーを見ると、1898年の1月の学事は、

January 24-28.  Semester Examinations

January 31.  Second Semester begins

  という感じで、セメスターの試験が1月24日から4日間。そして31日から後期セメスターが始まります。ですから、この日曜日というのは2月に入っていると考えられます(だってそんなに採点早くできないしw)。それに再試が来月ある("will take another examination next month")と書くのですけれど、実際に3月下旬に行なわれている様子です("The Ides of March" の手紙参照)。

Jerusha Abbott has commenced to be an author.  A poem entled, "From my Tower," appears in the February Monthly―on the first page, which is a very great honor for a Freshman.  My English instructor stopped me on the way out from chapel last night, and said it was a charming piece of work except for the sixth line, which had too many feet.  I will send you a copy in case you care to read it.  (Penguin Classics 30: emphasis added)
(ジェルーシャ・アボットは作家としての一歩を踏み出しました。「わたしの塔から」という題の詩が『マンスリー』の2月号にでます――それも冒頭第一ページで、これは1年生としてはたいへんな名誉です。昨晩チャペルをでて帰り道に国語の先生がわたしを呼びとめて、あれはとても魅力的な作品で、ただ6行目の韻脚が多すぎるのだけが惜しい、とおっしゃいました。お読みいただければと思い、1部お送りするようにします。)

  先生がいっているのは、1行の foot 詩脚(韻脚)の数、すなわち meter 歩格が第6行だけ多すぎる、meter が乱れている、ということです。  

  例の百足図が出るのが、4月の手紙で、ペンギン版だと6ページあとです。


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