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天にまします我らの父――主の祈り Our Father in Heaven: Lord's Prayer [φ(..)メモメモ]

〔「『あしながおじさん』における神 (第3のノート)」のつづき〕 

「主の祈り」は、プロテスタントでもカトリックでも唱えられる、キリスト教徒の祈祷文の中心的なもので、それはイエス自らが「山上の垂訓」において弟子たちに教えた祈りであった(マタイ福音書)からです。

「主の祈り」-Wikipedia <http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%BB%E3%81%AE%E7%A5%88%E3%82%8A>
"Lord's Prayer"-Wikipedia <http://en.wikipedia.org/wiki/Lord%27s_Prayer>
「主の祈りについて」-WikiForJ (by Shinri Nomachi) <http://gospel.sakura.ne.jp/wikiforj/index.php?%BC%E7%A4%CE%B5%A7%A4%EA%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6>

プロテスタント訳を引いておきます。――

天にまします我らの父よ
願わくは
み名をあがめさせたまえ
み国を来たらせたまえ
み心の天に成る如く地にもなさせたまえ
我らの日用の糧を今日も与えたまえ
我らに罪を犯す者を我らが赦す如く我らの罪をも赦したまえ
我らを試みに遭わせず悪より救い出したまえ
国と力と栄えとは限りなく汝のものなればなり
Our Father, which art in heaven,
hallowed be thy name;
thy kingdom come;
thy will be done,
in earth as it is in heaven.
Give us this day our daily bread.
And forgive us our trespasses,
as we forgive them that trespass against us.
And lead us not into temptation;
but deliver us from evil.
For thine is the kingdom,
the power, and the glory,
for ever and ever.

    つまり、「主 Lord」というのは、旧約で神であり新約でイエス・キリストでありうるわけでしょうが、「主の祈り」の「主」はイエスであり、イエスが「我らが父」と神を呼んで、人々とともに唱えるわけです。

  (1) ウィキペディアを読むまで知らなかったのですけれど、「天にまします我らが父よ」という、プロテスタントとカトリックが共有していた文句はカトリックのほうでは21世紀になって変わったのですね(あ、あくまで――う、不吉な・・・・・・あくまで追求するぞ――日本語問題)。

  (2) 三位一体的に "For thine is the kingdom, and the power, and glory, of the Father, and of the Son, and of the Holy Spirit, now and ever and unto the ages of ages" と唱える文言は東方教会において付加されたもの――日本語ウィキペディアにおいて、日本聖教会の「天主経」で司祭がいるときに「以下司祭朗誦・高声」として記されている文言――

けだし國(くに)と權能(けんのう)と光榮(こうえい)は爾(なんじ)父(ちち)と子(こ)と聖神゜(せいしん)に歸(き)す、

今(いま)も何時(いつ)も世々(よよ)に。

  (3) そうすっと、この「父」は、子のイエスが「我らが父」として神をさしているのだけれど、「子なる神」であるがゆえに「父」と呼ぶのではなくて、我らが(私(イエス)と人間の)父として「父なる神」をイエスは言挙げしている。だけど共通の「父」として神を呼ぶには、やっぱ人間はためらわざるを得ない、ということですか。

  それでも「天上の父」(神)と「地上の父」(人間)は類比的に捉えられて、人々を悩ますことになったのでした。たぶん。

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〔2010年8月11日記〕

記事「天の父と地の父(母と娘の会話)――『若草物語』のばあい Your Heavenly Father and Your Earthly Father in _Little Women_: A Conversation Between a Mother and a Daughter」、そしてそれに並ぶ「天の父と地の父――『緋文字』のばあい(1) (母と娘の会話) Your Heavenly Father and Your Earthly Father in _The Scarlet Letter_: A Conversation Between a Mother and a Daughter」につづいていきます。


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