スピード感とスケジュール感 (2) Sense of Speed and Sense of Schedule [ひまつぶし]
(2) スピード感なう
( (1) スケジュール感 のつづきです。)
フジテレビの全日本フィギュアスケート選手権2011エキシビションAll Japan メ・・・ を観ていて、町田くんの演技のあとのアナウンサーのことば――
「いやぁー、見事なスピード感を演じ切った町田樹です」
スピード感とスケジュール感 (1) Sense of Speed and Sense of Schedule [ひまつぶし]
(1) スケジュール感
何日か前の野田首相の記者会見をテレビのニュースで見て、耳からもテロップからも「スケジュール感」と入ってきたので頭に残っていたところ、今日NHKの日曜討論で平野大臣も「全体のスケジュール感を共有してゆくことが大事」と発言していたのでがっくりきた。
で、調べてみたのだけれど、その前に、12月16日午後の首相会見における野田総理の発言を引いておこうか。――
そして与野党の協議を経て大綱にまとめていって法案化の準備をして、そして年度内に法律を出す――このスケジュール感はいささかも揺るぎなく、やらなければいけないというふうに思っておりますし、党内の雰囲気等々いろいろご指摘はありますが、私は基本的には、その流れの中で闊達(かったつ)なご議論はあってしかるべきだと思いますけれども、今のスケジュール感については皆さんに共有をして頂きながら、まとめていきたいというふうに考えております。
この「スケジュール感」については、 2005、2006年ごろからひとびとの目と耳について、Webでも質疑や意見が出されてきた言葉のようです。
(1) 「すけじゅーるかん/スケジュール感」 、『いたるの時事辞書』 2007.3.9 <http://itarufox.exblog.jp/5214706/> 〔この辞書の定義、語源、用例についての記述は、まことに過不足なく、家政婦のミタさんのように雄弁でもある〕 一部(かなり)引用します。――
1.確定していないスケジュール、予想しているスケジュール
→「ざっくりとしたスケジュール感を教えてください。」
→「3月に契 約して、4月に支払というスケジュール感です。」
2.スケジュールそのもの
→「4月に支払はわかりますが、4月の上旬なのか 中旬なのか、
その辺のスケジュール感を知りたいんです。」
「安心感」や「危機感」、「不信感」のような、人の気持ちや状態を表す名詞に
「感」をつけただけの往々にビジネスで使われるうっとおしい言葉。
同様の言葉に「規模感」がある。
[・・・・・・]
使われるようになった理由で考えられる場面として考えられるのは、
ビジネス上の会話で「スケジュールを教えて...」と尋ねた際、
相手もその場では、自社での協議が必要などの理由で、即答できない場合、
「スケジュールは決まり次第、お伝えします」という、ありきたりの回答しかできない。
しかし、これを「スケジュール感」と言い換えることで、
相手がこうしたい、ああしたいと思っているスケジュールを聞くことができるし、
聞かれた相手も責任を負うことなく、自分の思いで、事前に、相手に伝えることができる。
[・・・・・・]
(2) 「スケジュール感って何?」 - その他(ビジネス・キャリア) - 教えて!goo -2005.9.16 <http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1653692.html> 〔<「感」という変な日本語で互いに暗黙の了解を得る社内文化が形成されたと推測します>というDIGAMMAさんのベストアンサーの説明に得心するものの、< 「スケジュールを確認します」と言いたいのですが、この様に言ってしまうと「既にスケジュールの案が印刷されていて、それに対し問題がないかを皆で検討する」という意味になります。><だれも、スケジュール案を作っていなければ、 「スケジュールを確認します」と言えません。>という前提的論理がそもそもおかしいとも思われ〕
(3) 「娘がこの春から中2で、今英検3級もってるのですが・・・・・・」という質問者の文中に「中学の先生には、準2級まではストレートで、2級も2回目には合格というスケジュール感でうかれといわれているようです。」 (2009.4.28) <http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1425632674> 〔教育の現場でも使われているらしい〕
(4) 「当面のスケジュール感」 『規制・制度改革に関する分科会について』 2010.4.6 <http://www5.cao.go.jp/seisakukaigi/shiryou/0023-100406/pdf/item09.pdf> 〔大塚耕平(当時内閣府副大臣)を分科会長とする分科会のpdf文書〕
(5) 「スケジュール感の欠如した政権」(世耕弘成) BLOGOS 2011.1.9 <http://blogos.com/article/10904/> 〔<民主党政権の運営を見ていて、いつも問題点を感じるのが「スケジュール感」の欠如である。><現政権には政治家にとっての重要な能力のひとつであるスケジュール感が完全に欠如しており、国民生活にマイナスになっている。 >〕
(6) 「(下地幹事長 記者会見) 「郵政法案」 平野委員長はスケジュール感を示せなかった 平野委員長が提示した日にちでは、納得できない」 」 2011.11.25 <http://kokumin.or.jp/index.php/item/item_details/116>
どうやら政治家さんたちもビジネス感で行動・発言しているように思われ。それにしても野田首相の発言中の青字の部分、「やらなければならない」「まとめていきたい」の目的語はスケジュール感に他ならぬように読め(法案ないし法律かもしらんが)、だとすれば、二重にコトバに音痴(バカ)である。
申し込みの流れ image via 手紙DM・手書きDM(ダイレクトメール)のパイオニア「リンオフィス」 <http://www.rinoffice.com/tegami_2.html>
「スピード感」については、地震後に耳についてとても気になったコトバなのだけれど、こちらはむかしからある言葉ではあり、ちょと調べるのがむつかしそう。
〔2012.1.15追記〕
スピード 感とスケジュール感 (3) Sense of Speed and Sense of Schedule