釣果の図 "Here Is a Picture of the One Fish I Caught" [Daddy-Long-Legs]
前の記事「ジューディーとジャーヴィー――ジュディーと冒険(3) Judy and Jervie: The Adventurous Judy (3)」は、実はこの題(「釣果の図」)で書き始めて、なんだか内容が題にそぐわないものになったので(まあそれもいいのですが)、分割しました。
ということで、2年生のロック・ウィロー農場に8月中旬にやってきたジャーヴィー坊ちゃんとジュディーはふたりで乗馬をして周囲を散策したり、登山をしたり、徒歩旅行(long tramp) をしたり、射撃や釣りをしたり、キャンプをしたりします。そういう様子が、『宝島』に言及する前の、数日にわたる手紙には書かれています。
直前の日曜日の手紙には、日曜に釣りに行くような人間は煮えたぎる地獄に落ちると信じているセンプル夫人の制止をさえぎり日曜日の礼拝をさぼって釣りに出かけ、昼には釣った魚を「キャンプファイア」で焼いて食べたことなどが報告されています。ジャーヴィスは小さい魚を4匹釣った (he caught four little ones) のでした。
Anyway, we had our fishing (he caught four little ones) and we cooked them on a camp-fire for lunch. They kept falling off our spiked sticks into the fire, so they tasted a little ashy, but we ate them. We got home at four and went driving at five and had dinner at seven, and at ten I was sent to bed―and here I am, writing to you.
I am getting a little sleepy though.
Good night.
Here is a picture of the one fish I caught.
(ともかく私たちは釣りをしました(あのかたは小さいのを4匹釣りました)。それを焚き火で焼いて昼食にしました。魚は刺した串から何度も火の中に落っこちたので、ちょっと灰くさい味がしましたが、でも私たちは食べました。4時に農場に戻り、5時には馬車で遠乗りに出かけ、7時に夕食をいただき、10時にもう寝たほうがいいと言われて――さて今こうして手紙を書いています。
でも少し眠くなってきました。
おやすみなさい。
これは私がとった一匹の魚の絵です。
〔亀の図〕
"the one fish (that) I caught" という、a fish でも one fish でも the fish でもなく the one fish とした英語は「釣った唯一の魚」という含み、他に「魚」は釣れなかった事実を示しているわけですが、shellfish とか jellyfish とか、compound でfish は「魚」ではなくて水産動物や魚介類を意味しうるけれど、「魚」と書いて亀が出てくるズッコケのギャップがユーモアなのだと思われます。
この亀の絵は見覚えがありますよ!子供の頃読んだ翻訳に載っていて「これって魚なんだろうか?亀に見えるけれど」とか思いました。そもそも亀って食べられるのだろうか?と真剣に悩みましたが、「これはスッポンなんだ!」と無理矢理結論づけたような記憶が・・・全然違いました。25年間の疑問を解決してくださってありがとうございました。とはいえ、これを拝見するまで疑問に思ったことも忘れていました(^^;)
by りす姉さん (2009-10-11 01:56)