osawa さんの足長父さん@物語倶楽部 Daddy-Long-Legs Trans. by osawa@StoryClub [Daddy-Long-Legs]
I've just thought of a plan, Diana. Let you and me have a story club all our own ....
良いこと思いついた、ダイアナ。二人で自分たちだけの物語倶楽部を作ろうよ・・・・・・。
L. M. Montgomery, Anne of Green Gables
『赤毛のアン』の伝説的「研究」サイトとして、また青空文庫のような電子図書館からも評価される邦訳 Eテクストを多数作成したサイトとして物語倶楽部があります。日本語ウィキペディアの記述では、最初の「定義」みたいなところで「物語倶楽部(ものがたりクラブ)は、著作権が消滅し、パブリックドメインに帰した文学作品を入力・公開していたインターネット上の電子図書館である」と記述し、概要として、以下のように説明しています。
1999年1月16日に、ルーシー・モード・モンゴメリの作品『グリーン・ゲイブルズのアン』の情報を公開するサイトとして出発した[1]。その後、しだいに他の翻訳作品も公開するようになった。そのため、著者および翻訳者の没後50年を経て著作権の消滅した、外国語作品の翻訳がコンテンツの大部分を占める。コンテンツの中で、「私訳のテキスト」は配付・再利用は自由である。取扱いはプロジェクト杉田玄白の方式に従う。「著作権が切れたテキスト」は自由に配布してよい。ただし、「その他の資料」は配布は不可である[1]。2004年12月頃に、サイトが閉鎖された。
物語倶楽部のコンテンツはインターネット・アーカイブなどに保存されている[2]。また、インターネット・アーカイブから発掘したコンテンツを独自に公開するサイトもいくつか存在している。電子図書館青空文庫でも、物語倶楽部のコンテンツを登録する作業が進行中である。
この物語倶楽部の設立者&執筆者の osawa さんの、『あしながおじさん』についての翻訳ノートみたいなものを目にしたのは、たぶんエレーン・ショーウォーター編注のペンギン・クラシックス版の出た2004年だったのだと思います。翻訳の本体のほうがまとまっていることも知らず、更新日記のなかで、他の仕事と混ざって記述されている『あしながおじさん』の注釈を拾い読みしたのでした。そのころからパソコンも代を重ねて4,5台(今春日本に帰ってから2台買いました)、いや4,5代、外付けハードディスクも3台という、しっちゃかめっちゃかの個人的パソコン状況ですが、このあいだ、古いファイルにosawa さんの2001年後半の更新日記が見つかり、あらためて読んで感心するとともに、検索をして、保存されたコンテンツを確認した次第です。――
Internet Archive Wayback Machine, Searched for http://www.sm.rim.or.jp/~osawa/AGG/menu.html <http://web.archive.org/web/*/http://www.sm.rim.or.jp/~osawa/AGG/menu.html>
とりあえず、一番最後の Dec 25, 2004 におおむねファイルは挙がっていると思うのですが、場合によると、過去にあったものが落とされたりということもありうるようです。あれこれ、感銘を受けた人や、関係した人や、知人らしい人の文章を読み、さらに物語倶楽部内を散策してみると、osawa さんは女ではなく男の人でした(これはなんとなくちょっとしたショック・・・・・・御厨さと美が男だったのを知ったときと類比的)。2004年12月にサイトは閉じたらしい(ウィキペディア)のですが、2005年12月31日付の更新日記で、サイトの転居・移行中をアナウンスしています(どうやらbiglobe)。が、そちらのほうはInternet Archive (ってアメリカのサンフランシスコの Internet Archive とは別のものですが)でも復活できないようです。あと、今年の河童忌(芥川の)の記事のコメント応答で、osawaさんの物語倶楽部収録テキストの青空文庫への収録が彼との五年越しの約束だ、と書かれている人がいて、osawa さんの事情がとても気になっています。
osawa さんは、「ジーン・ウェブスタ関連」で、ウェブスターの他の作品、 When Patty Went To College や
Jerry Junior 〔保存なし〕やJust Patty を、どうやら、Project Gutenberg などに先立って E-text 化していらしたようなのでした。パティーものについては日記で何度もコメントがあるようです。
8月10日の、柳の木の股からの手紙はこんな感じの、ナウい訳になっていますし、ちゃんと devil down-heads は鳥と捉えられていたのでした(ちなみに、他の訳者の訳は、「デビルダウンヘッド (1) Devil Down-Head」と「『蚊とんぼスミス』――東健而の『あしながおじさん』 (2) Azuma Kenji's Translation of Daddy-Long-Legs」を参照)。ちょっと二段落目、テクストが混乱しているようです。ちょっと前のヴァージョンも見てみます。
足長父さん:八月十日
「足長父さん」へ
拝啓 牧場の池の側に生えている柳の木の二番目の叉から、謹んで挨拶致します。下の方ではカエルが一匹ケロケロ鳴いています。頭上にはセミが唄い、二匹の小さな「悪魔ツツキ(カオジロゴジュウカラ)」が幹を登ったり降りたり。こうしてここに居座ってはや一時間。とても快適な木の叉なのです。特に、二つのソファークッションを下に敷いてからはね。不朽の短編を書こうと、はりきってペンとノートパッドを持って登ってきたのに、さっきからずっとヒロインに時間を取られっぱなし -- どうしてもあたしの言う通りに動いてくれないのよ。それで、とりあえずあの娘は放っておくことにして、あなた宛てに手紙を書いているところ。(大して気休めになりませんけど。だってあたしの思い通りにならないのは、あなたも同じだもの。)
あなたが、あのとんでもない街ニューヨークにいるなら、この素敵で涼やかで明るい陽射しに包まれた眺めを、差しあふれる、世界、良いお天気、太陽の恵み、景色、眺め、陽射しを浴びた、浴びるほどの、お日さま、明るい差しを受けた、包まれた少し分けて送ってあげたいくらい。当田舎は、雨の一週間が過ぎて天国になりました。〔osawa@物語倶楽部 2003 <http://web.archive.org/web/20040913202003/www.sm.rim.or.jp/~osawa/AGG/daddy/daddy-42.html>〕
osawa さんはノート(日記)で率直に疑問を記していて、そのへん答えていければいいかな、というのと、全然思いもよらぬことを書いていこうというのと、osawa さんの翻訳(訳注があります)へのリンクをブログのカスタムペインに設定しようということを思いました。
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"Internet Archive Wayback Machine, Searched for http://www.sm.rim.or.jp/~osawa/AGG/menu.html" <http://web.archive.org/web/*/http://www.sm.rim.or.jp/~osawa/AGG/menu.html> 〔物語倶楽部の復元〕
「こもれび 記事No. 3231」 <http://hpcgi1.nifty.com/hongming/komorebi/wforum.cgi?no=3231&reno=3222&oya=3222&mode=msgview&page=0> 〔青空文庫内 2009.9.14 「入力者osawaさんで青空文庫に登録してあるもののうち、「入力中」となっている作品」を挙げて「「物語倶楽部」テキストの登録へ..」の作業を考える、2009年7月末くらいからのスレの一部〕
くまさん、ナイスありがとうございます。風邪など召されませぬよう、ご自愛ください。
by morichanの父 (2009-11-29 20:36)
依光次郎さま、おひさしぶりです。結局あちらのブログは更新がとどこおっています。
by morichanの父 (2009-11-29 20:37)