新規蒔き直し New Deal [φ(..)メモメモ]
帰宅してQさまを見ていたら、「正しい言い回しを選べ」で
新規 XXXX を図る
のXXXXに入るのが、
巻き返し
か、
蒔き直し
か、
という問題があり。
誰も回答する前に止まってしまったのだけれど、ちなみに、という解説では、
新規蒔き直し
(もう一度新しくやり直すこと)
「新たに種を蒔くことからできたことばなんです」というのが天の女神さま(だかなんだか知らんが)の声でした。
え゛~~っ!!
新規まき直しって、セオドアじゃなくてフランクリン・ローズヴェルトの New Deal の訳語で、トランプのカード配りから来てるんじゃなかったの~。
と、広辞苑で「まきなおし」を見たら、「蒔直し」で、つぎのように書かれておった。
①改めて種子をまくこと。
②改めて始めからやり直すこと。傾城買二筋道「これは―と見へたり」。「新規―」
用例の『ケイセイカヒフタスヂミチ』というのは江戸時代の洒落本で、寛政10年(1798年)の完成だそうです。
ふーん。まー、なんでトランプの札配りを「まく」というかは、考えてみればヘンだし、ヘンだと思ったこともあったような気もするのだけれど(でも「撒く」という感じ=漢字仮名かなーと思ったときもあった)、そうなると、「新規」という形容辞が付く表現はともあれ、「まき直し」自体は「蒔き直し」という日本語として遅くとも江戸期からあって、それがニューディール政策の訳語に応用されたのです(か)ね。
「しんき」違いですが、「心機一転巻き返しをはかる」とは、言わないのでしょうか・・・。
「蒔き直し」、漢検何級の問題に相当するのでしょうか?
by パピロ (2010-10-21 15:01)
パピロさま、返事が遅れてすいません(正直言うとこの数日忙しくて読みそびれていました)。
巻き返しというのは、ちゃんと調べてみないと(すなわち『広辞苑』レベルではなくて小学館の国語大辞典みたいなの)わかりませんけれど、たぶん織物関係の比喩から来ているのではないかと思われます。「心機一転」と「巻き返し」は結びつく必然性はないと思いますけれど、言いたければ言ってもいいのではないでしょうか。心機が人間機械論より以上に機織りのイメジを喚起するならなおさらに。
「蒔き直し」は漢検とは別のレベルの知識をはらんでいるようでいて、平成18年度第2回の準1級の誤字訂正問題に出ていたとの情報が諜報部員より寄せられました――
積年の宿弊を一掃し、新規巻き直しを図るべく制度変改に着手する。
「制度変改」も含めて、ヘンな感じのする漢字を意識的に積み重ねているのでしょうけれど、こういう例文で頭がいっぱいになるとバカになってしまうのではないかと畏れます。
by morichanの父 (2010-10-25 21:07)
ご丁寧なお返事いただきありがとうございます。
漢検は受けたことありませんが、最近、電車のドアの窓に貼られた、漢検の広告の誤字訂正問題一例をよく見かけ、電車に揺られながら、問題をときます。準一級の例題たった一問が解けたことに満足し、実際の漢検は受けません。
by パピロ (2010-10-27 11:58)