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日本的霊性につきて (3) 霊性と文化の発展 (鈴木大拙) "On Japanese Spirituality" by Suzuki Daisetsu [魂と霊 Soul and Spirit]

承前―〔日本的霊性につきて (2) 霊性の意義 (鈴木大拙) "On Japanese Spirituality" by Suzuki Daisetsu

  えーと、前置きなしですw。

     3  霊性と文化の発展

  霊性は民族が或る程度の文化階段に進まぬと覚醒せられぬ。原始民族の意識にも、或る意味の霊性はないとは言われぬが、それは極めて原始性のものに過ぎないのである。これを純粋に精錬せられた霊性そのものだと思い誤ってはならぬ。しかし文化が或る階段に向上したあとでも、その民族の悉くが覚醒した霊性をもっているとは言われぬ。即ち日本民族について言っても、今日の日本民族の一人びとりがみな霊性に目ざめていて、その正しき了解者だというわけにはいかない。今日といえどもわが国民のあいだには、原始性の宗教意識以上に出〔い〕で能わぬものはいくらでもある。それらの人々は、かえって純粋の霊性をその原始性の中に求めんとさえするのである。霊性の覚醒は個人的経験で、最も具体性に富んだものである。それは民族文化の昇進につれて、その中の個人の上に現われるものであるが、そうしてその特定の個人は、その経験を他に伝え、その他はまたその人に追随し得るのであるが、民族すべてがそのように経験するというものではない。或る人々にありては、霊性の覚醒を経験する機会に遭遇せぬのである、また遭遇しても内的準備の十分に具わっていないこともある。それで彼らは、原始性の宗教意識に対してのあこがれ〔あこがれに傍点〕と親しみはもち得ても、それ以上に霊性自体に触れ得ないのである。詩は詩人に向って吟ずるが好く、酒は知己と共に飲むが旨いので、その中の趣を解せぬものに、いくら説明しても解るものでない。原始性の心理はなかなか根強く我らの心意識を支配するのである。

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『日本的霊性』 緒言 一 日本的霊性につきて・・・・・・1 「精神」の字義・・・・・ 2 霊性の意義・・・・・・ 3 霊性と文化の発展・・・・・・ 4 霊性と宗教意識・・・・・・ 5 日本的霊性・・・・・・ 6 禅・・・・・・ 7 浄土系思想・・・・・・ 8 禅と浄土系――直接性

  自分のメモ的に、エマソンと高橋巌(あるいはシュタイナー)からの引用を以下に書きつけようと思います、そのうちに。 φ(..)メモメモ

 




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さるの惑星でなく Crying for the Planet of Apes [家族の肖像 Conversation Piece]

むかしカリフォルニアでは、ときどき家族の会話を記録してブログに書いていた。カテゴリーを探したけれど、それらしきものが見当たらなった今日この頃。ということでむかしを思い出しながら(遠い目)。夏の終わりくらいの会話。

(テレビ):「まさか『猿の惑星』でこんなに泣けるとは思いませんでした」

(モ):「泣けるに決まってるじゃん」(とモーりちゃんが突っ込んでいた。)

(チ):「誰かの影響じゃないの」

(ハ):「あなたのせいでしょ」


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