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安全性に対する危険性 Safety Hazard [φ(..)メモメモ]

こないだ「~に対する危険性が高くなっています A [The] Danger [Risk] of [for, against] . . . Is Increasing」を書いているときにあれこれ検索したなかで、ウィキペディアの項目「セシウム」に「6 健康と安全性に対する危険性」という見出しがあった。英語を見たら基本的に同じ構成であり、英文Wikipedia の記事 "Caesium" を訳したものみたい。英語は―― "5 Health and safety hazards"。health hazard と safety hazard ということだろうけど、あー、なるほどハザードねー。日本人が「危険」って考えてすぐに出てくる単語じゃないかもしらん。大英和のdangerの見出しのなかの類語説明を見ると、"danger" は「危険」をあらわすもっとも一般的な語で、"risk" は通例個人の自由意志で冒す危険」と書かれていて、"hazard" は「通例偶発的な健康・安全・計画・名声などに対する危険」としている。「安全に対する危険」・・・・・・なるほど。

  safety hazard って、商品とかで「安全性に危険あり」と注意を促すフレーズでありますねー。あるいはモノでいうと「安全性に欠けるもの」みたいな。あるいはモノというより食品の安全性で "food safety hazard" とか。

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image: The food safety hazard guidebook - Google books <http://books.google.com/books/about/The_food_safety_hazard_guidebook.html?id=KiK9fcE4xvAC>

  ついでながら "health hazard" のほうは、Weblio 辞書内の『JST科学技術用語日英対訳辞書』の訳語を挙げるなら――「健康有害; 健康有害性; 健康被害; 健康危害; 健康障害; 健康災害 」  カタイ!w なかでは「健康被害」が既に耳に聞きなれたフレーズでしょうか、なんか捉えているところがズレテいるような気もするけれど。こちらも、くだいていうなら、「健康に害を及ぼす危険性」、あるいは、モノを指す場合は、「健康を損ねるおそれのあるもの」という感じかしら。

  文脈と訳語の問題なのでしょうけど、「安全性に対する危険性」は気持ち悪い。

    寒さ、冷たさの度合いを言うのにも「温度」というのだし、安全度と危険度はベクトルが違うだけで相対的なものだともいえるのかもしれないけれど――だから、少なくとも文脈によっては安全性というのは危険性と同じなのだろうけれど――「性」というコトバがくっついていることであらかじめ安全と危険の領域が不明瞭になっているのが気持ち悪い。

  ハザードはどうやらニュアンスがむつかしいので、「モラル・ハザード」同様に既に「食品安全ハザード」みたいなわけわかめの「日本語」が動き始めているようす。これはこれで気持ち悪い。「計画的避難区域」が気持ち悪い日本語だと思っていたら「計画的デフォルト」とか解説者が言っていて、なんじゃそりゃ、と思ったら、ようやく使い慣れてきたパソコン世界のデフォルトとは異なる、「債務不履行」の意味でのカタカナコトバなのでした。なんでもかんでもカタカナにするなよ。

safety-hazards.jpg
image: Safety World Preparation Kit | SpotDeals <http://deals.spotshoppingguide.com/2009/05/03/safety-world-food-preparation-kit/>

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「リスクについて」『Safety World Tour』 <http://www.yokogawa.co.jp/iss/member/newstopic/safetyworldtour1.htm> 〔横河電機株式会社の槙島さんによる連載記事の一〕

 


タグ:safety hazard
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